「得意なことを教えてください」で詰まった日
就活中のエントリーシート。
「あなたの得意なことを教えてください」って欄を見たとき、手が止まった。
……得意なこと、か。
うーん。なんだろう。
なんとなく、「プレゼンが得意です」とか「数字に強いです」みたいな、それっぽいスキルを書かないといけない気がして、ずっとページの前で考え込んでしまった。
でも、いくら考えても「これ!」って胸を張れるものが出てこなくて。
なんか、周りがすごく見えて、自分が空っぽに思えて、ちょっと落ち込んだ。
得意って、もっと大きなものだと思ってた
たとえばピアノが上手いとか、英語がペラペラとか、人を笑わせるのが得意とか。
そういう"わかりやすい才能"が、得意なことだって思ってた。
でも私にはそういうの、なかった。
たとえば家事が得意って言っても、特別上手なわけじゃないし。
誰かを引っ張るタイプでもないし、派手な特技もない。
「自分にしかない得意」なんて、ないのかもしれないなって、一度は思った。
ふと、言われた「ありがとう」の意味
でもね、あるとき友達に言われたんです。
「話をちゃんと聞いてくれてありがとう」って。
そのときは「え、そんなことで?」って思ったけど、
よくよく考えたら、誰かの話を最後までちゃんと聞くのって、案外難しいのかもしれない。
他にも、「一緒にいると落ち着く」って言われたり、
「予定とかちゃんと立ててくれるの助かる」って言われたこともあった。
もしかして、私が"普通"だと思ってることって、
誰かにとってはありがたいことだったり、助かることだったりするのかも。
MBTIでちょっとだけヒントが見えた
ちょうどその頃にMBTIを知って、自分のタイプを調べてみたら「ISFJ」だった。
「人の気持ちに寄り添える」とか、「地道に物事を進めるのが得意」って書いてあって、
正直、ちょっと泣きそうになった。
それってまさに、私がずっと「得意とは呼べない」と思ってたことだったから。
一方で、友達のひとりは「ENTP」で、どんどんアイデアを出して人を巻き込むのが得意。
ああ、みんな"得意のかたち"が違うんだなって、ちょっと救われた。
私の"ちいさな得意"を拾いなおしてみた
得意って、なにかを極めることだけじゃない。
- •いつのまにか人の相談を聞いてる
- •友達との旅行でプランを立てるのが自然にできる
- •みんなが気まずそうな空気のとき、ちょっとした一言でほぐせる
そんな、自分では当たり前すぎて気づかなかったことが、
じつは"ちいさな得意"だったのかもしれない。
得意って、無理につくるものじゃないのかも
得意なことって、探すより"気づく"ことなのかもしれないなって、最近は思う。
無理やり「これが得意です!」って武器にしようとしなくてもいい。
ただ、自分が人より少し楽にできることとか、自然にやってることに目を向けてみる。
それがいつか、自分の"らしさ"になるんだと思う。
まとめ:見つけるより、気づくものかもしれない
ちいさな得意の見つけ方
- •得意なことって、「すごいスキル」じゃなくていい
- •自分では気づきにくいけど、「ありがとう」の中にヒントがある
- •MBTIを使うと、自分の得意の「芽」が見えやすくなる
- •ちょっとずつ気づいて、育てていけばいい
得意って、見つけるものじゃなくて、気づいていくもの。
そんなふうに思えるようになった今は、あのエントリーシートに、少しだけ自信を持って向き合えそうな気がしてる。
※「MBTI®」はThe Myers-Briggs Companyの登録商標です。
本記事は教育・自己理解を目的として執筆されており、公式なMBTI診断とは一切関係がありません。



